言葉は記号です。
今ここで、新たに創造されたものではありません。
文法はルールです。
書き手の全面的な自由を、約束するものではありません。
そういう意味でライターとは、
記号の組み合わせを極限まで追求する職人であるべきだと思います。
10文字のキャッチコピーも、
5000文字のインタビュー原稿も、
言葉をどう紡ぐか、無機質な記号の組み合わせに、どれだけ温度を与えられるか。
そこに心血を注げる人だけが、
プロのライターを名乗る資格があると、私たちは考えます。
なぜなら言葉とは、何千年も前に生きた人間が生み出し、
何千年もの間、変化しながら受け継がれてきた、
最大の伝統文化だから。
それは、人が人とつながりたいと願う、純粋な心の形です。
だからこそ、私たちが紡ぐ言葉は、
過去現在未来に在る、数多の魂へと架ける橋でありたい。
Office Ti+の根底にある想いです。
自らの手で、集めて編む。それが編集の仕事です。
それは、編集者の生きざままでが表れる、ちょっと怖い作業。
だから私たちは、私たちの良心に沿って編集作業を行っているつもりです。
何を拾い、何を捨て、何をどう見せるのか。
イラストや写真は、どう組めば生きるのか。
集めたものたちは、編み方次第で、楽しくもなればシリアスにもなる。
功名心でも野心でもないのです。
理想の「画」に、文字が溶け込んだときの楽しさを知っているから。
伝えたい想いをカタチにする、
それが私たちの理想とする、編集スタイルです。
人、場所、世界との出会いは、いつも一期一会です。
この仕事をしていなければ、知ることのなかったありとあらゆるヒト、モノと、
めぐり合ったその一瞬を、私たちは大切にしたいと思います。
用意した質問項目を、ただ埋めていくことではありません。
事実は人の数だけ、真実は心の数だけあるものだからこそ、
大切にしたいのは、
自分の色と、相手の色とが、そのときそこで交わって初めて、生まれる何か。
それを見つけ出すことこそが、「取材」であると考えます。
まず書き手個人の想いを綴り、次に読み手の目線を掬い、最後に編集者の視点で整える。
執筆は、自分を知る作業であると同時に、偏った自分を捨てる作業でもあります。
読み手の顔が見えないなら、この仕事を選ぶべきではない。
好きなように書きたいだけなら、プロフェッショナルを目指すべきではない。
文法、時代背景、企画意図、媒体特性、販促意図。
プロの仕事は、あらゆる制約の中でこそ成立する。
制約を自在にくぐり抜けながら、行間にさりげなく、真摯な想いを込めること。
それこそが、プロの目指すべき到達点だと思うから。
取引先が出版社でも、広告代理店でも、一般企業でも、
私たちが為すべき仕事は同じです。